国際法から竹島問題を検証②竹島問題の主な論点と判定される道筋 傑作(5)
2008/7/30(水) 午後 2:23竹島問題歴史 Yahoo!ブックマークに登録
竹島問題に関して日韓の主な対立点としては、以下の三つが挙げられます。
①両国は古くから竹島を自国の領土であると主張しているが、その主張する歴史的根拠の有効性。
②明治38年の日本政府による領土編入措置の効力について、領土取得の要件を満たしているか、無効かでの対立
③第2次大戦中のカイロ宣言からサンフランシスコ平和条約条約に至る一連の措置の意義と解釈
国際法の見地からは、竹島は、日本の領土か、韓国のそれかであり、日韓両国の共同統治地域でもなく、第三国の領土でもなく、帰属未定の無主の地でもありません。そして、互いに、歴史的に竹島を領有してきたと主張していることは1953年に国際司法裁判所が判決したイギリス・フランス間のマンキエ・エクレオ事件(英仏間で争われたマンキエ島及びエクレオ島の領有権をめぐる国際紛争)に似ています。
両国は、互いに古くから問題の島を領有してきたとして、11世紀に遡る時代の歴史的権原を援用して、その権原は常に維持され、決して喪失しなかったと主張していました。国際司法裁判所は、これらの島の領有権に係る紛争が顕在化する以前から、イギリスがこれらの島に実効的支配を及ぼしているので、両島の領有権はイギリスにあると判断しました。
この判例の重要な点は、実効的占有を重視したことです。しかし、事実上の支配がその地域が当然その支配国の領土であることを意味するものでないことにも注意しなければなりません。たとえば、占領は、占領地域が当然その占領国の領土になることを意味するものでもありません。韓国の現在の不法占拠によって、竹島が直ちに韓国領になるわけではありません。
しかし領土は、様々な要因で変更するので、過去に固有の権原をもっていたとしても、それが現在も当然その国の領土であるという証明にもならず、複合的で、総合的な判断が必要です。政府はもちろん、私たちも竹島問題への関心を失わせないことが重要です。
そこで、両国の援用する歴史的な事実がどれほど国際法上の意義を持つか検討し、両国の主張のどちらが実効的占有の要件に合致しているかを検討して、判定することが適当と思われます。
これを竹島問題に置きかえると、日本政府は1905年島根県告示をもって竹島を島根県隠岐島司所管とすることを決めており、その後竹島を土地台帳に記載し、漁業取締規則を改正して漁業権者から土地使用料を徴収するなど、上記判決を満たす程度の実効的支配を継続していたと考えられます。
また韓国側は、1905年の島根県告示は国際法上無主地の先占行為ならば有効であるが、竹島は本来韓国領だったのだから無主地先占の理論は適用がないとも主張しています。しかし、韓国が1905年以前の竹島の領有権を主張するならば、それ以前における竹島への実効的支配を証明しなければならないところ、そのような事実は国際法のレベルでは全く実証されていません。
領有権は「実効的支配」の有無が大きく影響します。実効的支配の証拠とは、法的根拠をもった、中央及び地方政府としての活動のみが認められます。
すなわち「竹島を見た可能性がある」(=1693年、日本と朝鮮の間で鬱陵島の領有権が争われ際、朝鮮王朝は『東国輿地勝覧』の分註を、朝鮮半島から鬱陵島が見えるとして、鬱陵島の領有権主張する根拠に使い、ところが韓国政府は竹島問題が起こると、同じ文献を使って、今度は、鬱陵島から竹島が見えると曲解したのです。韓国らしいご都合主義です)、「于山国は竹島も含んでいた可能性がある」といったこじ付け的な間接的推は、実効的支配の証拠にはなりません。当然、安龍福の証言(妄言)も個人的発言なので認められません。仮に見えたのが竹島であったとしても、国際法上は最大限考慮しても「未成熟の権限」になるかどうかで、それを補強する証拠がさらに必要となります。過去の判例にもあるとおり、「未成熟の権限」は「実効支配」よりも劣る。つまり、今の主張だけでは日本の島根県編入を覆すことはできないということになります。
日本には島根県編入措置を行い、国内法に基づいて島根県が土地台帳登録、使用許可命令、賃貸借許可が行われています。韓国側が、実効的支配の証拠及びその法的根拠を提示できない限り、日本の領土となります。
なお、実効的支配を認めるには「平和的・継続的」であるかどうかですが、日本政府が領有権の抗議をしているので、現在の韓国による竹島占有は実効的支配の証拠とはなりません。
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