2010年2月24日水曜日

万機要覧 地理

文献備考曰
文献備考曰く

鬱陵島 在蔚珍 正東海中 與日本之隠岐州 相近
而三峯岌業空、南峯稍卑
日清則峯頭樹木及山根沙渚 歴歴可見、

鬱陵島は蔚珍の正東の海の中にあり、日本の隠州に近く、
三つの峰が空に向かってそびえているが、南側の峰は少し低い。
天気が晴れていれば、峰の頭上にある樹木と山のふもとの沙渚がも歴々と見える。



風便二日可到、地方百里、
産柴胡 藁本 石楠 藤草 諸香木蘆
竹多 合抱者 蘆実 桃核大 可為杯、升
山猫大如犬、鼠大如猫。

風が順風なら二日ほどで到る。地方は百里。
柴胡・藁本・石楠・藤草・各種香木・蘆を産出する。
竹は、合抱竹が多く、蘆実と桃が大きく、杯や升を作ることができる。
山猫は犬の如く大きく、鼠が猫の如く大きい。



海中有 大獣 牛形赤眸 無角、
羣臥海岸 見人獨行 害之遇人
多走入水。

海中には、大きい獣がいて、牛の形のようで、瞳は赤く、角がない。
海岸に臥して群れをなしていて、人が一人で行くと、これを害する。
しかし、人が多ければ、走って水の中に入っていく。





 1432年『世宗実録地理志』(#1069)
   于山、武陵二島は県の東の海中にある。二島はお互いに相去ること遠くなく、天候が清明であれば望み見ることができる。新羅の時、于山国と称した。一に欝陵島ともいう。その地の大きさは百里である。

 1478年『新増東国輿地勝覧』(#1096)
   于山島、欝陵島。一に武陵という。一に羽陵という。二島は県の真東の海中にある。三峰が高くけわしく空にそびえている。南の峯はすこし低い。天候が清明なら峯のてっぺんの樹木やふもとの砂浜や渚を歴々と見ることができる。風にのれば、二日で到着できる。一説によると于山、欝陵島は本来一島という。その地の大きさは百里である。

 肅宗実録、1694年08月14日の項 (#16242)
   我が国には江原道蔚珍県に属した鬱陵島と言う島がある。本県の東海の中あって、波が刺刺しくて波路が便利ではないから、何年か前に民を移して地を留守にしておいて、随時に公差を送って捜検するようにした。本島は、峰巒と樹木を内陸でもありありと眺めることができ、凡そ山川の屈曲と地形が広く、民の住んだ遺址あり、種々の産品を生む。この様な内容が、我が国の『輿地勝覧』に載っており、歴代に伝えられている。

 1744年『春官志』 (#15722)
   欝陵島。江原道の海中にある。蔚珎縣に属す。輿地勝覧に曰く。一に武陵という。一に羽陵という。蔚珎県の正東の海中にある。三峰が高くけわしく空にそびえている。南の峯はすこし低い。天候が清明なら峯のてっぺんの樹木やふもとの砂浜や渚を歴々と見ることができる。風にのれば、二日で到着できる。一説によると于山、欝陵島は本来一島という。

 1770年『東国文献備考』
   内容不明。「文献備考に曰く」とあるので、「東国文献備考」の内容が推定可能。

 1808年『万機要覧』
   内容は上記。

 1908年『増補文献備考』
   于山島 鬱陵島(在東140km・・・)



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